AIソフトウェアの売上高は2018年に95億ドル、2025年までに1,186億ドルに増加すると予測されている。参考出典Tracica「Artificial Inteligence Market Forecasts」(2019年4月)
先進国のなかでもアメリカや中国が率先してAI活用を推進しているにもかかわらず、我が国におけるAI活用は非常に遅れていることが、外資系戦略コンサルティングファームのBCGが実施した人工知能(AI)の導入状況に関する調査結果をまとめたレポートによりわかった。日本企業はこれからのAI×データ時代に適応すべく、AI人材不足という課題を解消しなければならないだろう。
6月3日、株式会社アイデミー 執行役員 最高戦略責任者 河野英太郎が、(肩書きはセミナー開催当時のものです)
「AI×データ活用時代に対応した人材育成とは?」
をテーマに講演した。
AI組織・人事開発にむけて
日本におけるAIの導入状況
先進国のなかでも日本のAI導入が遅れていると言われています。
AIに関する特許件数においては、米中両国が独走しており、それぞれ3割強の特許を取得しています。産業別の導入状況という観点で見ると、日本のテクノロジー/メディア/通信業界は60%、金融業界は42%と7カ国平均の差が小さいですが、その他の産業では遅れている状況です。とくに日本の基幹産業とも言える製造企業におけるAIの取り組みが本格化するのは、まだまだこれからなので大きなマーケットだと思います。
ソフトバンクグループ 代表取締役会長 孫正義氏は「AIで全ての産業が再定義される。AIを制するものが未来を制する。」と言っています。“多く”とは言わず“全て”と言っている点が興味深いです。この方はインターネットブームの到来も90年代に予測されていて、今ではインターネットが人々の生活を支えるインフラになりました。AIによって全ての産業が再定義されるので、AIの取り組みはR&DやIT部門だけの話ではありません。 製造業やヘルスケア業に所属されている経営者層がAIの取り組みについて悩まれており、相談に来られます。営業部門に対するAI教育研修のニーズも高まっており、1000を超える単位のライセンスを導入するケースもあるのです。
AIはソフトウェアであるという話をよく耳にすると思いますが、徐々にソフトウェアとハードウェアの境界がなくなってきています。TOYOTAが最大のライバルはベンツやBMWではなく、Google であると公言しています。ハードウェアを生産して販売するビジネスモデルでも、製品はインターネットで繋がっていてソフトウェアで制御できるので、製造業と言いつつもソフトウェア産業です。
日本におけるAI活用課題
日本企業のAI活用課題は、組織開発です。AIの導入を先導する組織、人材が著しく不足しています。AI人材がいなければプロジェクトは始まりません。AI人材が確保できて
- データ収集。整理が不十分
- AIプロセスを対外的に説明できない
- AI導入にかかるコストが高い
- 有用な結果が得られるか不明
などの課題に取り組むことができます。従来は研究開発部門やIT部門やAIの専門家を採用してプロジェクトを進行させていました。 しかしAI人材は不足しているので、採用コストが高いです。仮に1000万円で採用したとしても人材エージェントに5割支払うだけではなく、経験が積むことで市場価値が上がるので辞めてしまうという状況でした。そこで始まったのがAI内製化です。 今では研究開発部門やIT部門のような専門部隊が現場の方とコミュニケーションをとって、事業部でもAI人材を育成しようという試みがあります。また DX チームを経営直下に組成していたりするケースもあります。
AI活用に向けて、アジャイル型の考え方への変革
多くの企業はAIプロジェクトに取り組んだことがないために、入念な事業計画をされるケースが多いです。しかし、ウォーターフォール型のようないつまでに?だれが?どうするのか?
ではなくて、アジャイル型をアイデミーは推奨しています。要件定義をしたら試作品(PoC)を開発して確認作業を交えながらプロジェクトを前進することをお勧めしています。 たとえ製造業であっても、製品はインターネットに繋がっているので、顧客に製品を届けた後でソフトウェアを利用して製品をアップデートすることが可能です。製品の品質を最大限に高めてから市場に提供するのではなくて、まず市場に提供して顧客の要望に耳を傾けながら課題を解決していくことです。AI人材育成も同じです。すべての産業が再定義されるわけなので、まずはAIプロジェクトに取り組んでみることをお勧めしています。正解があるわけではないので、試行錯誤をくりかえすことが大切です。
DXを推進する経団連が掲げるDX推進人材のモデル
経団連はDXを推進しています。従来の社会は
- Society1.0は狩猟社会
- Society2.0は農耕社会
- Society3.0は工業社会
- Society4.0は情報社会
でしたが、Society5.0はサステイナビリティを重視しています。そして大きなテーマとして、
- AI/IoTの先端技術による課題解決と価値創造
- 業務効率化と労働生産性の向上
- 企業経営者におけるデータ活用の推進
が掲げられています。DX推進を先導しているのは経済産業省ですが、厚生労働省、国土交通省、金融庁など多くの官公庁を巻き込んでDXに取り組もうとしています。そして5月11日には、経団連がDXの全体像について新たな提言をしました。
- 協創
- 経営
- 人材
- 組織
- 技術
とくに注目すべき項目はDX推進人材のモデルです。“起承転結人材”という聞き慣れない言葉を使っています。
- 妄想を設計する“起”人材
- 構造を設計する”承”人材
- 機能を設計する”転”人材
- 詳細を設計する“結”人材
- 全体を管理するプロデューサー人材
を定義していましたが、アイデミーではそれぞれに対応したサービスを提供しています。
アイデミーのAI内製化で組織を強靱にする
サービスの特徴
アイデミーは、AIに強い組織づくりに向けた、AIの内製化支援サービスを提供しています。アイデミーはAI人材育成に対するソリューションとして、AIリテラシー向上を目指すeラーニングを提供しており、3つの特徴があります。
- ブラウザを開いて10秒で開始
- 事前知識不要
- ビジネス向けAIリテラシー教材も増強
AIやプログラミングに関する事前知識は不要なため、未経験者でも理解できるようなコンテンツが特徴です。さらにエンジニアやビジネスパーソンむけのAIリテラシー教材も充実してており、オンラインAI学習サービスで、ユーザ数No. 1、満足度No. 1をいただいております。
課題ごとに適切なソリューションを提供
- AI人材がいない(チーム・組織体制構築)
→AI SaaS事業(Aidemy Business)
- AIビジネスを定義できない(課題発見・要件定義・試作品づくり)
→AIコンサルティング事業(Aidemy Intensive Plan)
- AIシステムが作れない(実運用)
→AIプラットフォーム事業(modeloy)
など様々な課題に対してソリューションを提供しているのですが、AI人材育成のAidemy Business中心に、AI活用の要件定義サポートや社会実装サポートを行っています。
Aidemy Businessでは、管理者は
- 受講者の進捗
- 受講者の成績情報
を管理・監視出来るだけではなく、46個あるコンテンツのなかから、自社として受講すべきカリキュラムを自由に設定するこができ、実際にアイデミーのサービスをご利用いただいた企業様のインタビュー記事がアイデミーの法人向けオウンドメディア「AI-CAN」に掲載されております。
カリキュラムの紹介
基本カリキュラムを一部ご紹介します。事前知識が必要なく、すぐに取り組むことができますので、6コンテンツの目安時間を足して合わせても10時間ほどです。
もう少し本格的に取り組みたい層に向けては、56時間ほどのコンテンツもありまして、フルコミットに取り組むと2週間弱かかかります。
アイデミーは、6ヶ月でAI人材を社内で育成し、約12ヶ月で外注しないで社内主導のプロジェクト成功を支援させていただいており、変化に強いAI組織づくりに取り組むお客様に寄り添いながらサポートさせていただきたいと思っております。
(肩書きはセミナー開催当時のものです。)