目次
プロフィール
事業内容
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空調・冷凍機、化学、油機、特機、電子システムの製造・販売
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従業員数
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7,036名(単独)
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導入目的
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AI人材育成、AIのビジネス活用
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Webサイト
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世界No.1の空調事業を持つグローバルカンパニー、ダイキン株式会社
空調事業を中心に、世界150カ国以上で事業を展開しているグローバル企業、ダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)。空調事業における売上高は世界第1位を誇っており、揺るぎない地位を築いています。
2015年11月に大学をはじめとした外部機関と技術連携を行うオープンイノベーション拠点「TIC」(テクノロジー・イノベーション・センター)を新たに開設しています。
世界ナンバー1の「エアコンメーカー」であるダイキンが、ソフトウェア人材の育成に力を入れているのはなぜでしょうか。また、AI技術を社内へどのように浸透させ、活用をおこなっているのでしょうか。その理由を、同社テクノロジー・イノベーションセンター 戦略室 技術戦略担当である近藤 玲 様にお聞きしました。
なぜ、世界No.1のエアコンメーカーがソフトウェア人材の育成に取り組むのか?
TICは2015年に、それまであった研究所を統合し、技術者が集まる技術開発のコア拠点としてソフトウェア人材を育てていく組織です。
現状として、弊社売上の9割弱は空調事業で構成されており、これまでは機器を販売する「モノ売り」主体で事業を続けてきました。機械や電機の技術・技術者はたくさん保有していますが、最近は製品の性能だけでは戦えず、そこで、モノ売り以上の「コト売り」ともいうべきソリューションの重要性が高まってきています。単独の技術向上だけではなく、様々な技術の掛け合わせやソリューションが必要になっているわけです。それは、弊社がこれまで続けてきたスタイルでは通用しなくなるという強い危機感があります。
今、世界ではITやデータを活用した新たなサービスやビジネスモデルが数多く立ち上がっています。そこで弊社でもAIやIoTといった最新の技術を使いこなしていかなければ、グローバル競争に勝てないという危機感を強く持っています。しかし、弊社は長らく製造業を中心に営んできたため、ハードウェア系技術者は多数在籍しているものの、ソフトウェア系技術者は不足しています。市場環境を鑑みると、採用での優秀なソフトウェア系技術者獲得が難しいという側面もあり、社内で育成する道を模索しています。
育成の取り組みとして、2017年12月からはAI分野の技術開発や事業開発をになう人材を育成する社内講座「ダイキン情報技術大学」を開講するに至っています。これは、社内の幅広い部門から選抜された社員が、9ヵ月間のプログラムを受講してもらうものとなっています。受講者は既存社員と新卒社員とで構成され、既存社員には文系学部出身者も多い中で順調に学習し、成長しています。
今までの育成の課題は、受講者の時間的負担が大きいこと
ただ、この「ダイキン情報技術大学」にも課題があり、既存社員でも受講に業務時間の3〜4割が割かれてしまうのです。日々業務が忙しく、それだけの工数をかけることは難しい社員がほとんどです。私自身「ダイキン情報技術大学」を受講したいのですが、多くの社員が気軽に受講できるものではありません。とはいえ、やはり数多くの社員にAIを学んで欲しい。そこで、毎日少しでもいいからコツコツと続けられる教育を探していたのです。
Aidemy Businessの導入で、柔軟かつ低コストにAI人材育成を始められる
そんな時にAidemy Businessと出会いました。初心者からAIスキルを既に持つ者まで幅広く対応できる教育プログラムであることに加え、時間や場所に囚われず自由に受講できることが魅力的でした。
ちなみに私自身、Aidemy Businessを使っています。一つひとつのスキルが細かく整理されてまとまっているので、大変わかりやすいです。5分10分あれば、細かい1項目は学べるので時間を有効活用できます。あまり時間を取れない生活をしているのですが、それでも帰宅してから自宅で半分趣味として学習を進めることができます。
また、大人数が同時に学べるライセンス数でも、低コストというところもポイントですね。一般的に、教育には専任の講師が必要だったり、運営する手間があったりで、多額のコストがかかります。それを考えるとAidemy Businessのコストは驚きです。
そうして、「ダイキン情報技術大学」の取組みを社内で一般化して拡大するかたちで、Aidemy Businessを導入しました。
Aidemy Businessを活用し、AIを技術者の一般教養にしていく
今後はAidemy Businessを「ダイキン情報技術大学」の講義で使用したり、それには参加できないが、自主的にAIを学びたいという社員に対して、Aidemy Businessを活用していただきたいですね。社内でAidemy Businessの利用者を増やしていくことで、AIが技術者の一般教養になってくれればという思いがあります。
この一般教養とは、例えば技術系の社員であれば、ハードウェア技術者がAIの要件定義や発注ができたり、納品されたソフトウェアを問題ないか確認するために必要なAIに関する技術知識を持っているといった状態です。ハードウェアなどアプリケーション側に深い知見を持つ技術者が、ソフトウェアも器用に使いこなせるようになっているダイキンを目指して、Aidemy Businessを活用していきたいと思います。
今後のAIとソフトウェア活用の展望
弊社のビジョンである「健康で快適な空気・空間の創造」にはソフトウェア技術を活用できる場面がたくさんあります。そのほか、空調機などのハードウェアについても、故障予知機能を搭載することで、お客様の利便性を向上させられると思います。
また、弊社では全世界に90箇所以上もの生産拠点がありますので、AIをはじめとしたソフトウェア技術を活用することで、生産ラインや部品調達のスマート化にも取り組んでいくことができればと考えています。