新型コロナウイルス感染症の影響を受け、多くの人々の暮らしや企業活動は大きく変わりました。今後、新しい社会様式である「ニューノーマル」が浸透した世界に企業が順応し、デジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが活発になっています。
これまでAIの内製化支援を120以上の法人に支援してきたAidemyでは、「これからのDX」についてセミナーを積極的に開催しています。本セミナー「【Aidemy×ブレインズテクノロジー共催】これからのDX」では、アイデミー取締役CTO・清水俊博が「なぜDXを外部コンサルに丸投げしてはいけないか」について講演しました。
清水俊博(しみず としひろ)
株式会社アイデミー取締役CTO
東京工業大学工学部情報工学科卒。新卒でSIerに入社後、株式会社ドワンゴに転職。技術コミュニケーション室長として「エンジニアの生産性を高める」をテーマに働くようになる。その後人事部長、サービス開発本部副本部長(R&D担当)などを歴任。併行して株式会社バーチャルキャストに出向しVPoE兼人事部長として採用やエンジニア組織作りに携わる。2019年にSO Technologies株式会社に入社し、執行役員VPoEとしてエンジニア組織の強化を担う。2020年7月より現職。
本セミナーでは、なぜDXを外部コンサルに丸投げしてはいけないのかという問いに最終的に答えて導いていきます。ここでは、コンサルが悪いというわけではなく、外部に丸投げすることに対しての問題を提起をします。
DX・AI導入に関して、外部コンサルに丸投げすることはよくないのではないかという考えを私は持っています。その点に関して、論理立てて説明をさせて頂き、主題のDXとは何かについてお話しします。
デジタル化とは何か?言葉が指し示すものだけてみても、本質を考えることは難しいものです。
DXの目的は何か、というところから考えていきたいと思います。DXの目的を探るためにも、ソフトウェアエンジニアでもある私から見て「DXしている」と感じる非IT企業の会社を紹介します。
事例紹介
事例①ユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)
2017年に、社内向けにはもっと前から宣言していましたが、柳井さん自ら自社を「情報製造小売業」と打ち出しています。ただの製造小売業ではなく、「情報製造小売業である」という一貫したメッセージを4年くらいずっと打ち出しています。その流れから、2016年AWS社で部長を務められていた大谷晋平氏が入社し、2018年に執行役員に就任されました。ファーストリテイリングは、ITを社内で活用していく体制を作り上げていきました。ユニクロの中途採用の募集ページご覧ください。募集職種がAIとかインフラエンジニア、データ分析、バックエンドエンジニアであったりと、普通のIT企業と遜色ないほどエンジニアを多く募集、採用しています。
ファーストリテイリングはITエンジニアを採用しているということがわかるのではないでしょうか。ただのファッションブランドを売っている会社ではなく、情報製造小売業というメッセージに則った形で進化を遂げている会社であることがわかります。
事例②東急ハンズ
東急ハンズは、雑貨屋の小売会社と思いきや、2012年から自社のITインフラからAWSに移行しています。
2012年はAWSの日本のリージョンが設立されたのが同じ年ですから、非常に早い段階でAWSの活用を開始したと言えます。そして、AWS全面移行を2018年に完了させます。
ECだけではなく、人事、会計などのバックオフィス系、勘定系システムやPOSサーバーなどの業務機関におけるシステム系も全てAWSにしています。
SIベンダーに任せるのではなく、東急ハンズは子会社「ハンズラボ」という子会社を作り、そこに在籍するエンジニアを中心にAWSへの移行を行いました。もちろん、AWSが支援に入っています。その結果、ハンズラボは自社のみならず、他社に向けてAWS導入支援を行ったり、同業他社の小売業務のシステム開発をする会社に成長しました。自分たちの業務の幅を広げ、小売業の枠を超えるまでに進化を遂げたのです。
事例③ウォルマート
Walmartは、小売業売上世界1位(50兆円以上)の巨人です。
2位がコストコで、3位がアマゾンです。日本のトップは、イオンの売上8兆円なので、売上規模は比ではありません。
OneOps、Electorodeなど、自分たちで作ったソフトウェアを、ソースコードをオープンにして誰でも使えるよう公開し提供しています。それを行っているのが自社システム開発も手掛けるウォールマートの子会社、「WalmartLab」です。ウォルマートのECだけでなく、こウォルマートの商材を使ったアプリケーションをディベロッパーが自由に作ることができる「ウォールマートオープンAPI」を公開、提供するなど、新しい取り組みをしています。
DX化が進んでいているの会社の共通点とは何か?
守りではなく攻めにITを活用している
これまでご紹介した三社の共通点について、お話します。
1つは、これらの企業は守りではなく、攻めにITを活用している点です。システム導入による経費削減などを主目的とせず、新規事業領域の創造や、イノベーションを起こす部分にITを活用していくといった意味合いです。
ユニクロの事例は、その好例にあたります。ユニクロは、2017年9月にチャットボットサービス「UNIQLO IQ」をリリースしました。オススメコーディネートの提案はもちろん、 人気の商品や、店舗の在庫などを案内してくれる。ユーザー専用のお買い物アシスタントとしての機能を果たします。チャットを通じて、新たなショッピング体験の提供をしている点は、まさに攻めのIT活用と言えます。
その他、東急ハンズやWalmartでは自社のみに留まらず、外部向けにも積極的にシステムのサービス提供をしています。
内部人材を活用している
2つ目は、内部人材を活用しているという点です。社内、もしくはグループ内にIT人材を確保して、活用する。攻めにITを活用するというのは、たくさんのデータを元に、それを分析して次の一手を打つということです。
例えば、出退勤のデータ管理をオンラインで行うために、システム導入するケースがあります。単に利便性に重きを置くのではなく、把握している出退勤のデータから、退職しやすい傾向があるスタッフを検知する、といった活用もできるはずです。
データを収集し、分析して次の一手を打つ。これを成功するまで早く繰り返し、失敗をするということが大切なのです。この特性を踏まえると、外部のコンサルティングにDXを丸投げした場合、攻めのIT活用が難しくなります。なぜなら、、、
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