コニカミノルタ株式会社(以下、コニカミノルタ)は、光学・材料・画像・微細加工の4つのコア技術を軸に、150年以上にわたり人々の「みたい」に応える製品・サービスを提供してきました。現在では、オフィス機器から産業印刷、医療・介護領域まで幅広い事業を展開し、世界150カ国以上で人々の暮らしと産業を支えています。
長期的なビジョンのもと、全社横断でDXを推進し、技術人財の育成と活躍を通じて、事業の競争力強化と新たな価値創出に取り組んでいます。
今回は、技術開発本部 技術戦略統括部 技術人財強化部長の大西 和子 様に、Aidemy Businessの実際の活用方法と効果、DX人財育成の取り組みとその成果、そして今後の展望についてお話を伺いました。
企業名 | コニカミノルタ株式会社 |
事業内容 | 複合機や産業用光学機器、医療機器等の開発・製造・販売、並びに画像IoT等 ソリューション・サービスの提供 |
従業員数 | 単体 :3,922名 連結:35,631名 (2025年3月31日現在) |
利用サービス | Aidemy Business(オンラインDXラーニング) |
導入目的 | DX専門人財育成 |
Webサイト | https://www.konicaminolta.com/jp-ja/index.html |
DX人財育成実施の背景
大西様:2015年頃から「モノからコトへ」のサービス型ビジネスの実現に向けて、デジタルによる変革を進めてきました。2020年からはさらに本格的にDXを推進し、その浸透と加速を目指し、現在も日々努力を続けています。
経済産業省の「デジタルスキル標準」が整備される以前から、コニカミノルタ独自のDX専門人財のロール設計を進めてきました。2017年頃から、データサイエンティスト、ITアーキテクト、プロダクトオーナーなど、事業の「as a Service」化に必要な人財を明確化し、育成と採用を強化しました。
2020年以降は、競争優位性やスケールに必要な人財として、AIエンジニア、ソリューションディベロッパー、セキュリティエンジニアなどのロールを追加し、2023年には1,000名規模の体制を構築し、現在もより実践的かつ多様なスキルセットを持つ人財の育成に注力しています。

DX人財育成プログラムについて
大西様:DX専門人財の育成は、Entry、Standard、Expertの3段階に分けて実施しています。Aidemy Businessは主にEntry層のAIエンジニア、データサイエンティスト、ソリューションアーキテクト・ディベロッパーなどの基礎スキル習得に活用しています。
受講者は、手挙げや各部門からの推薦により、社内認定制度と連動した研修プログラムに参加します。レベルに応じて、eラーニングや座学による知識・スキル習得や、実践型研修や実務テーマを通じたプログラムを実施し、知識と実務の両面から育成を図っています。

Aidemy Business導入の決め手と評価
大西様:Aidemy Businessは、2021年より活用しております。
導入の決め手は、まずハイレベルな専門講師陣による高品質な教育コンテンツ。さらに、コンテンツが日々アップデートされ、常に新しい知識を学べる点も大きな魅力でした。
加えて、プログラミング学習では実際に手を動かし、添削を受けられる実践的な環境が整っており、非常に効果的だと感じています。
また、他社にはない柔軟なライセンス形態により、年間を通じて多数の社員が効率よく学習でき、社内教育のニーズにぴったりでした。
導入から4年が経ちましたが、ユーザー企業のニーズを汲み取りコンテンツへ反映してくれる点、課題に寄り添い共に解決策を考えてくれる伴走型の姿勢、そして受講者・管理者双方にとって使いやすいプラットフォームであることを評価しています。
DX人財育成における課題と今後の展望
大西様:しかし、DXを組織に根付かせ、事業成果につなげるには、専門家の育成だけでは十分ではなく、課題があります。
数々の実践と失敗を経て、コニカミノルタがたどり着いたのは「三位一体体制」。DX専門人財、DX推進人財、そして現場の実務者が一体となり、課題起点でテーマを設計・推進することで、事業成果に直結するDXの実現を目指しています。
この実現のために、新たな育成アプローチも実施してきました。
まず、「経営層・管理職へのアプローチ—トップダウンでの変革マインド醸成」です。
DXの加速には、現場だけでなく経営層の理解と支援も不可欠です。コニカミノルタでは、役員・管理職向けの講演会を実施し、DXの本質や推進の型を共有。部門ごとの課題を明確化し、次のアクションへとつなげています。アイデミーの提供する「DXを加速させる3つのポイント」というテーマでの講演を実施しました。
次に、「DX自走支援プログラムと全社員リテラシー向上」です。
部門長主導で推進人財と専門人財を選定し、課題起点でテーマを設計・実践する「DX自走支援プログラム」を展開しています。さらに、全社員向けにはDXアセスメントとリテラシー教育を実施し、全社的な理解度向上を図っています。
今後も継続して、DX人財育成の継続と見直しを図ります。
DX人財育成においてROIを考えることは企業として必要なことですが、過去の教育受講者が何年か経って重要な局面で活躍したり、コミュニティを通して会社を支えていたりします。育成は将来への投資であり、成果を急ぎすぎず、長期的な視点で人財の活躍を支える姿勢も重要と考えています。