DXを進めたいけれど、「費用がかかりすぎる…」「どこから始めたらいいのかわからない…」という声をよく聞きます。そんな時に頼りになるのが、国や自治体が用意している補助金や助成金です。
本記事では、2025年(令和7年)に経済産業省・厚生労働省・東京都などが実施するDX向けの補助金・助成金をまとめました。システムや機器の導入、人材のスキルアップなど、目的に合わせて選べる制度ばかりです。まずは気になる制度からチェックして、自社のDXを推進しましょう。
目次
DX補助金一覧【経済産業省】(全5種)
DX推進に使える補助金として、経済産業省が実施している5つの代表的な補助金があります。IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、中小企業省力化投資補助金、ものづくり補助金、事業承継・M&A補助金について、それぞれ解説します。
IT導入補助金
クラウドや会計・在庫などのITツール、業務用ハードやセキュリティ導入費を補助する制度です。通常枠に加え、インボイス対応や連携枠も選べます。

出典:IT導入補助金2025
枠名 | 対象経費 | 補助上限 | 補助率 |
通常枠 | ・ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費(コンサル、設定、マニュアル作成、研修、保守サポート)・導入後の活用支援費用 | ・5万~150万円(業務プロセス1~3つ)・150万~450万円(業務プロセス4つ以上) | ・中小企業:1/2・小規模事業者:2/3・最低賃金近傍事業者:2/3 |
複数社連携 IT導入枠 | (1) 基盤導入経費:会計・受発注・決済ソフト、PC/タブレット、レジ等(クラウド利用料 最大2年分)(2) 消費動向分析経費:AIカメラ、需要予測システム、電子地域通貨、デジタルサイネージ等(クラウド利用料 最大1年分)(3) 事務費・専門家費 | ・基盤+分析:最大3,000万円・事務費:200万円 | ・基盤導入経費:3/4(小規模4/5)・分析:2/3・事務費:2/3 |
インボイス対応型 | ・会計・受発注・決済ソフト(必須、クラウド利用料 最大2年分)・オプション(セキュリティソフト等)・導入支援・保守費用・PC/タブレット(10万円)・レジ/券売機(20万円) | ・1機能:50万円・2機能以上:350万円・PC:10万円・レジ/券売機:20万円 | ・50万以下:中小3/4、小規模4/5・50~350万円:2/3・ハード:1/2 |
電子取引類型 | ・発注者が導入する受発注ソフト等(クラウド利用料 最大2年分)※取引先に無償でアカウント提供 | 最大350万円 | ・中小企業:2/3・大企業:1/2 |
セキュリティ対策推進枠 | ・「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたサービス利用料(最大2年分) | 5万~150万円 | ・中小企業:1/2・小規模事業者:2/3 |
参考:中小企業庁|サービス等生産性向上IT導入支援事業『IT導入補助金2025』の概要
業務効率化や売上アップを目指す企業にとって、活用しやすい補助金です。対象となるITツールは幅広く、比較的使いやすい制度といえます。特にDXを始めたばかりの企業にはおすすめです。
小規模事業者持続化補助金
販路開拓や業務効率化の小口投資を支援する制度です。Webサイト制作や広告、EC構築などに活用でき、類型により上限50万~200万円です。

類型 | 上限額 | 補助率 | インボイス特例 |
通常枠 | 50万円 | 2/3 | +50万円 |
賃金引上げ枠 | 200万円 | 2/3(赤字は3/4) | +50万円 |
卒業枠 | 200万円 | 2/3 | +50万円 |
後継者支援枠 | 200万円 | 2/3 | +50万円 |
創業枠 | 200万円 | 2/3 | +50万円 |
以下は、主な対象です。
- 商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く):従業員5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業、製造業その他:20人以下
販路拡大や集客力強化、業務効率化のための投資を支援する補助金です。商店やサービス業など小規模事業者が対象で、比較的少額から申請できるため、地域密着型のビジネスでも取り組みやすいのが特徴です。
中小企業省力化投資補助金
AI・IoT・ロボット等による省人化設備やシステム導入を支援する補助金です。一般型とカタログ型があり、要件達成により上限額が拡大します。

出典:中小企業省力化投資補助金
以下は、中小企業省力化投資補助金の一般型です。
従業員数 | 上限 | 要件達成時 | 補助率 |
〜5人 | 750万円 | 1,000万円 | 中小1/2〜2/3、小規模2/3 |
6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 | 同上 |
21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 | 中小1/3、小規模2/3 |
51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 | 同上 |
101人〜 | 8,000万円 | 1億円 | 同上 |
一般型に関する詳しい最新情報は、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」をご確認下さい。
以下は、中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型です。
従業員数 | 上限 | 要件達成時 | 補助率 |
〜5人 | 200万円 | 300万円 | 1/2以下 |
6〜20人 | 500万円 | 750万円 | 1/2以下 |
21人〜 | 1,000万円 | 1,500万円 | 1/2以下 |
カタログ注文型に関する詳しい最新情報は、「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」をご確認下さい。
人手不足や長時間労働の改善を目的に、省力化機器やロボットを導入する際に利用できます。特に工場DXや現場業務の自動化を進めたい企業にとって効果的な制度です。
ものづくり補助金
革新的な製品・サービス開発や工程高度化の設備投資を後押しする制度です。高付加価値化枠とグローバル枠があり、要件次第で上限が引き上がります。

出典:ものづくり補助金
枠 | 上限 | 特例上限 | 補助率 |
製品・サービス高付加価値化枠 | 750万〜2,500万円 | 3,500万円 | 中小1/2、小規模2/3 |
グローバル枠 | 3,000万円 | 4,000万円 | 中小1/2、小規模2/3 |
詳しい情報は、独立行政法人中小企業基盤整備機構「ものづくり補助金のご案内」が参考になります。
新製品開発や新サービス展開など、革新的な取り組みを行う製造業やサービス業を対象にした補助金です。競争力強化や新市場への参入を目指す企業に適しています。
事業承継・M&A補助金

出典:事業承継・M&A補助金
事業承継やM&Aに伴う専門家費用、PMI投資、システム統合を補助する制度です。廃業や再挑戦にも対応し、類型ごとに上限額と補助率が定められます。
枠名 | 要件 | 対象経費 | 補助上限 | 補助率 |
事業承継促進枠 | ・5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している者 | 設備費、産業財産権関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費 等 | 800~1,000万円※一定の賃上げを実施した場合は上限1,000万円 | 1/2小規模事業者:2/3 |
専門家活用枠 | ・補助事業期間中に経営資源を譲渡または譲受する者 | 謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料 | 買い手支援類型:600~800万円※1、最大2,000万円※2売り手支援類型:600~800万円※1※1:DD費用を申請する場合200万円加算可※2:100億企業要件を満たす場合 | 買い手支援類型:1/3~2/3(※100億企業要件で変動)売り手支援類型:1/2~2/3(※赤字 or 営業利益率低下の条件あり) |
PMI推進枠 | ・M&Aに伴い経営資源を譲受予定の中小企業がPMI取組を実施する場合 | 設備費、外注費、委託費 等 | PMI専門家活用類型:150万円事業統合投資類型:800~1,000万円※一定の賃上げで上限1,000万円 | PMI専門家活用類型:1/2事業統合投資類型:1/2(小規模は2/3) |
廃業・再チャレンジ枠 | ・事業承継やM&Aの検討・実施に伴って廃業を行う者 | 廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リース解約費、移転・移設費用(※併用申請の場合のみ) | 150万円※他の枠と併用申請の場合はそれぞれの補助上限に加算 | 1/2(小規模は2/3)※併用申請時は各事業の補助率に従う |
詳しい情報は、独立行政法人 中小企業基盤整備機構の「事業承継・M&A補助金のご案内」が参考になります。
事業承継やM&Aに伴う設備投資や販路開拓を支援し、後継者不足に悩む企業や、経営資源を活用して事業拡大を目指す企業に役立つ制度です。
DX助成金一覧【厚生労働省】(全4コース)
厚生労働省の人材開発支援助成金は、従業員のDXスキル向上に要する研修費用や賃金の一部を支援する制度です。厚生労働省が所管し、内容や対象者、企業規模に応じた複数コースが用意されています。

今回は、DX推進で使い勝手の良い「人材開発支援助成金」の以下の4つの主要なコースをご紹介します。
- 人材育成支援コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 人への投資促進コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
従業員がDX人材として必要なスキルを身につけるための研修費用を助成します。リスキリングを通じて企業全体の競争力を高めたい場合に有効です。
人材育成支援コース
AI・ITなどDXスキル習得にかかる研修費と賃金を支援するコースです。OFF-JTやOJTに対応し、時間数や対象者区分に応じて助成率が変わります。年間上限は1事業所あたり1,000万円です。
詳しくは、厚生労働省の人材育成支援コースの概要と、人材育成支援コースの詳細版パンフレットをご覧ください。
コース内の主な訓練と助成内容

出典:厚生労働省|従業員の人材育成に 「人材開発支援助成金」が活用できます
配属前教育やジョブローテーションと組み合わせると効果が高まります。職種別の必須スキルを先に定義し、OFF-JT→OJT→現場適用の順で到達度を評価すると定着しやすいです。勤怠・受講記録・賃金台帳のエビデンス管理を早めに固めると運用が安定します。
DX人材育成の研修費や賃金補助を行う制度であり、新入社員や非正規社員のスキルアップを計画的に進めたい場合に活用できます。
教育訓練休暇等付与コース
人材開発支援助成金とは、事業主が雇用する労働者に対し、職務に必要な知識や技能を習得させるために計画的に職業訓練を実施した場合、その訓練にかかる経費や訓練中の賃金の一部を国が支援する制度です。

詳しくは、厚生労働省の教育訓練休暇等付与コースの詳細版パンフレットをご覧ください。
就業規則に明確に記載し、申請手続きを標準化しておくことが重要です。業務の繁忙期と閑散期に応じて長期・短期を組み合わせ、あらかじめ代替要員の計画を立てておくことで、現場の負担を軽減できます。
また、対象講座の選定基準や受講証明書の収集ルールを事前に決めておけば、審査対応も円滑に進みます。
人への投資促進コース
事業主が雇用する労働者に対し、あらかじめ立てた計画に基づいて職務に関連する訓練を行った場合、その訓練に要する経費や訓練期間中の賃金の一部などが助成される制度です。
詳しくは、厚生労働省の人への投資促進コースの概要と、人への投資促進コースの詳細版パンフレットをご覧ください。
以下は、各訓練メニューの助成率と助成額です。

事業展開等リスキリング支援コース
新規事業や業務再編に伴うスキル獲得を支援するコースです。OFF-JTで10時間以上が対象となり、研修時間と企業規模で上限30〜50万円が設定されます。経費は中小75%・大企業60%、賃金は中小1,000円/時・大企業500円/時です。
詳しくは、厚生労働省の事業展開等リスキリング支援コースの概要と、事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレットをご覧ください。
以下は、事業展開等リスキリング支援コースの助成率・助成限度額です。

出典:厚生労働省|新規事業展開やDX推進等の人材育成に「人材開発支援助成金」が活用できます
新規事業や異業種参入に必要なスキル習得を支援する制度ですので、例えば農業DX・小売りDXなど、業種転換の事例も参考になります。
DX助成金一覧【東京都】(全2種)
東京都では、システムや機器導入を支援する「DX推進助成金」や、都内中小企業や個人事業主のDX推進を後押しするために、研修費用を支援する「DXリスキリング助成金」があります。
業務効率化や生産性向上を目指すために、助成金を活用して、人材育成や設備投資を検討してみましょう。それぞれ申請要件や助成率、上限額が異なるため、自社の計画や予算に合わせて選ぶことが大切です。
DX推進助成金(東京都)
東京都と公社が実施する助成金です。生産性向上コースとDX戦略策定支援コースの2本立てで、データ整備や先端技術の活用によるDXと生産性向上を支援しています。人手不足の解消や業務の効率化を進めたい中小企業に向いています。

※(注意) 令和7年度第1回の事前予約は、終了しました。
※ 令和7年度第2回の事前予約は、11月頃の開始を予定しています。
第1回の事前予約は終了しているため、最新の情報は、後述する「東京都中小企業振興公社」のWebサイトをご確認下さい。
対象と期間
公社のDX推進支援事業でアドバイザー派遣を受け、提案書に基づき機器・システム導入を検討している都内の中小企業・個人事業主・中小企業団体が対象であり、助成対象期間は、1年です。(第1回目は令和7年10月1日~令和8年9月30日が予定されています。)
また、「DX推進助成金(東京都)」の助成上限額は、3,000万円であり、下限は30万円です。
以下は、生産性向上コースの区分と助成率です。
区分 | 助成率 |
中小企業者 | 1/2以内 |
小規模企業者 | 2/3以内 |
賃金引上げ計画あり(中小) | 3/4以内 |
賃金引上げ計画あり(小規模) | 4/5以内 |
働き方改革推進枠(建設・運輸等) | 4/5以内 |
次に、以下は、DX戦略策定支援コースの区分と助成率です。
区分 | 助成率 |
中小企業者等 | 2/3以内 |
賃金引上げ計画あり(中小) | 3/4以内 |
賃金引上げ計画あり(小規模) | 4/5以内 |
働き方改革推進枠(建設・運輸等) | 4/5以内 |
機器・ロボット導入費、システム構築費、ソフトウェア導入費、クラウド利用費、データ分析費などが、対象経費です。
公募内容やスケジュールは変更される場合がありますので、より詳しい情報は、「東京都中小企業振興公社」のHPを確認してください。
「DX推進助成金」は、機器導入やシステム構築など具体的なDX施策を東京都が支援する助成金です。DX内製化を目指す企業や、生産性向上を急ぎたい企業に適しています。
東京都のDX助成金(令和7年度DXリスキリング助成金)
都内の企業等が従業員のスキル向上を目的に研修を行う場合、その費用の一部を助成する制度です。対象となるのは、自社のDX推進を目的として実施する研修です。

出典:東京しごと財団 雇用環境整備事業|令和7年度 DXリスキリング助成金
以下は、DXリスキリング助成金・助成対象事業者の主要な要件です。

出典:東京仕事財団 雇用環境整備事業|令和7年度 DX リスキリング助成金 募集要項
助成対象研修に関連して、受講者1人あたり1研修単位で金額が算出できる以下の費用が対象です。
- 受講料
- 教科書・教材代
- 研修に付随する登録料・管理料
- 研修計画のためのヒアリング料(オーダーメイド研修のみ)
- 会場費(オーダーメイド研修のみ)
対して、以下の費用は助成対象外となります。
- パソコンやオンライン機器など設備購入費
- インターネット回線使用料・通信料
- 食事代・交通費・宿泊費
- 消費税
- 振込手数料・送料
- 助成経費の支払いで取得したポイント分
助成額は、助成対象経費の4分の3が支給され、1人1研修あたり上限は7万5千円です。
また、1つの企業が受けられる助成金の合計額は最大100万円までとなっており、この上限に達するまでは複数回の申請が可能です。
従業員がDX人材として、必要なスキルを身につけるための研修費用が助成されるおすすめの助成金です。
DX補助金申請の流れ・手続き
DX推進のための補助金は、どのような流れで受給できるのか気になっている人も多いのではないでしょうか?
中小企業や小規模事業者のデジタル化を後押しする「IT導入補助金」を例に、申請から受給までの手順を順を追ってご紹介します。
- 事業内容と制度要件の確認
まず、自社の事業内容が対象となるかを確認し、最新の公募要領をしっかり読み込みます。 - GビズIDプライムの取得
申請には「GビズIDプライム」が必要です。公式サイトから早めに取得手続きを進めましょう。 - 情報セキュリティ対策の宣言
「SECURITY ACTION」制度を利用し、情報セキュリティに取り組むことを宣言します。 - IT事業者とITツールの選定
自社の課題解決につながるIT事業者と導入ツールを選びます。 - 事業計画の策定
選定したIT導入支援事業者と相談しながら、導入目的や成果目標を盛り込んだ事業計画を作成します。 - 申請用マイページの招待を受ける
IT導入支援事業者から申請マイページへの招待を受け、申請準備を開始します。 - 基本情報と必要書類の登録
申請者の基本情報を入力し、見積書や証憑など必要書類を添付します。 - 内容の最終確認と宣誓
入力内容を確認し、内容に誤りがないことを宣誓したうえで事務局へ提出します。 - 交付決定通知の受領
審査を経て交付申請が通過すると、決定通知が届きます。 - 補助事業の開始
交付決定を受けてから、正式に事業をスタートします。
申請書類は、IT導入支援事業者と連携して作成することがポイントです。「GビズIDプライム」はGビズID公式サイトから、「SECURITY ACTION」は公式サイトからそれぞれ手続きが可能です。
補助金や助成金を申請する前に注意したいこと
DXの補助金・助成金は心強い支えです。ただし、申請すれば全て通るわけではありません。申請前に、採択リスクを把握し、制度と自社計画の適合性を確認しましょう。
交付は多くが後払いですので、資金繰りと日付管理を徹底し、証憑の整理と社内稟議を前倒しで進めましょう。
制度と自社計画の適合性を確かめる
- 対象経費と自社の支出科目を一つずつ照合する。
- 自社の課題とKPIから投資内容を決める。
- 過剰な機能や不要装備の購入を避ける。
- 運用・教育・保守費まで総額を試算する。
制度に合わせて計画を歪めると成果が出にくくなります。自社の痛点に合う制度を選ぶことが近道です。
資金繰りと着手時期を管理する
- 立て替え資金と入出金タイミングを試算する。
- 交付決定前の契約・発注・支払いを避ける。
- 契約・検収・支払いの各日付を台帳で管理する。
- 見積・契約・請求・支払い・検収・受講証明を整理保管する。
後払いを前提に資金計画を作れば、途中で資金が詰まる心配が減ります。日付の管理と証憑の整理も忘れずに進めましょう。
採択は確実ではない
- 代替案や縮小案を用意する。
- 公募スケジュールから逆算して準備する。
- 申請書に目的・KPI・体制・根拠を明記する。
- 稟議・見積・証憑収集を前倒しで進める。
不採択は珍しくありません。落ちても次回に活かせるよう、根拠資料をそろえて精度を高めていきましょう。
DXに使える補助金・助成金に関するFAQ
DXを進める際に役立つ補助金や助成金ですが、制度の違いや対象条件など、意外と知られていない点も多くあります。ここでは、よくある質問とその答えをまとめました。
補助金と助成金の違い
項目 | 補助金 | 助成金 |
所管 | 経済産業省(中小企業庁 等) | 厚生労働省(労働局 等) |
目的 | 新事業・生産性向上の投資支援 | 人材育成・職場環境整備の支援 |
金額の目安 | 数十万〜数千万円 | 数万〜数百万円 |
方式 | 公募制・審査あり(競争) | 条件充足で支給されやすい |
採択ハードル | やや高い | 比較的低い |
主対象 | 中小・小規模、スタートアップ | 中小企業全般 |
主な準備 | 事業計画・見積・収支見通し | 就業規則・研修計画・雇用契約 等 |
返済義務 | なし | なし |
補助金はモノへの投資、助成金はヒトへの投資と覚えると選びやすくなります。まずは自社の課題が設備か人材かを見極めましょう。
DXに使える補助金と助成金はどう違うのですか?
補助金は経済産業省などが所管し、新事業や生産性向上のための設備投資・システム導入に使えます。一方、助成金は厚生労働省が所管し、人材育成や働き方改革など「人」に関する取組を支援しています。
例えば、製造業DXで新しい生産システムを導入する場合は補助金が適しており、社員のDX研修には助成金が適しています。
DX補助金・助成金は誰でも申請できますか?
基本的に、中小企業や小規模事業者であれば申請できます。ただし制度ごとに業種、資本金、従業員数などの条件があるため、公募要領を必ず確認してください。
たとえば小売業でDXを推進する場合や、建設業でDXを推進する場合など、業種ごとに対象基準が異なる場合があります。
どんな費用が対象になりますか?
補助金はシステムや機器の購入・導入、クラウドサービスの利用料など、設備や技術投資が対象です。助成金は研修費、講師への謝礼、受講中の賃金などが対象になります。
例えば、工場でDXを進めたいと考えて、IoT機器を導入するなら補助金を検討してみましょう。社内でDX人材を育成するための研修を実施するなら助成金の活用がおすすめです。
補助金や助成金はどのくらいの金額が支給されますか?
制度やコースによって幅があります。補助金は数十万円から数千万円、助成金は数万円から数百万円が一般的です。大規模な農業DXや製造業DXなど、投資額が大きい場合は補助金を検討すると良いでしょう。
補助金・助成金の申請は難しいですか?
補助金は審査があるため計画書作成に時間がかかりますが、採択されれば高額の支援が受けられます。助成金は条件を満たせば支給されやすいですが、申請書類や証憑管理(取引の成立を証明する書類の管理)は必要です。
DX内製化を進めながら補助金や助成金を活用すると、より効率的にプロジェクトを進められ、他社と差別化できるでしょう。
国土交通省でもDX関連の補助金はありますか?
国土交通省でもDX推進に関連した補助金制度があります。主に物流や交通分野の事業者を対象に、システム導入や自動化設備の導入を支援する取り組みです。例えば、物流施設におけるDX推進実証事業では、システム構築と自動化機器導入を同時に行う場合に、費用の1/2以内(最大3,000万円)を補助します。また、交通DX・GXによる経営改善支援事業では、地域交通事業者がDXやGXを活用して利便性向上や人材確保に取り組む場合に支援を受けられます。
補助対象や要件は制度によって異なり、毎年度の募集要項で細かく定められています。最新情報は国土交通省の「交通DX・GXによる経営改善支援事業補助金等」で必ず確認してから申請準備を進めましょう。
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