丸紅株式会社(以下、丸紅)様は総合商社として、様々な産業・サービス分野においてグローバルに事業展開しています。その中のデジタル・イノベーション室は、丸紅グループのDXを推進するべく、グループのCenter of Excellenceとして、デジタル技術の活用や人財基盤の拡充、文化醸成を進めている組織になります。
丸紅様にはDX実践研修「Aidemy Practice」の「データ分析ハンズオン研修」を実施いただきました。今回は、研修を選んだきっかけをデジタル・イノベーション室の木本様に伺いしました。
「データ分析ハンズオン研修」概要
丸紅様には、社内で実施されている技術支援実践プログラム「デジチャレ」の取り組みの一つとして、社員様がPower BIを活用してデータ分析と可視化のスキルを身につけ、日々の業務に活かすことを目指すためのサポートができる研修をご提案いたしました。
※上記はイメージになります。
実務を想定し、3ヶ月で業務要件の整理や分析をしてPower BIのレポートを作成
ーーDX化に対応するためのデジタル人材育成の貴社取組の「デジチャレ」についてお聞かせください。またその中でアイデミーはどのような位置付けでしたか?
木本様 :丸紅デジタルチャレンジ(通称デジチャレ)は、『「分かる技術」から「使える技術」に変える』をコンセプトに、当社の実ビジネスを題材に取り組む形式で実践的な技術を身につけることを目的として開始されたプログラムです。
プログラムの中にいくつかのコースを用意することが通例で、2023年度のデジチャレのコースの1つにローコードでのデータ分析と可視化を行うものがありました。
アイデミー様には、そのコース内での事前学習やライブ講義、プログラム受講者に対するメンタリングや、受講者が提出する成果物に対する評価でご協力をお願いしました。
ーー研修プログラム設計の背景を教えてください。
過去、デジチャレにおけるデータ分析、活用に関するコースはPython等のプログラミング言語を学習し、分析やアルゴリズム開発を行うものが主流でしたが、ローコードツールの業務利用を促進してほしいというグループ内の声を受け、MicrosoftのExcelおよびPower BIを使って、分析やレポーティングに関する業務を高度かつ自動で行うコースを設定しました。
その際、実際に業務で使うことを想定して自分事として課題設定や分析を実践していただくべく、複数パターン用意した取り組み対象のデータの中から、受講者自身が興味のあるものを選択し、3ヶ月ほどかけて業務要件の整理や分析を実施したうえで、Power BIのレポートを納品する、という形式としました。
ーー研修選定で最も重要視されたポイントは何ですか?
木本様 :事前学習から始まり、ライブ研修での座学、その後の受講者による取り組みとその成果物の評価まで、一気通貫でサポートいただけることが重要なポイントでした。
またデジチャレの性質上、サンプルデータではなく丸紅グループ内から出てくる実業務に関するデータを用いる必要があること、さらに本コースの特徴上、複数のデータをコース内で取り扱うことが決まっておりました。そのため、
パッケージ化された研修の枠に収まらない当社向けのコンテンツの作りこみに対応いただけることと
複数の実データに関する理解と受講者への指導が可能であること
が、パートナー選定上の大きなポイントでした。
ーー対象者の選定はどのように実施しましたか?
木本様 :丸紅グループ内で本社社員だけでなく一部の子会社も含め広く募集し、応募者から抽選を行い決定しました。
但し、予めプログラム概要については説明会を実施し、学習予定内容について伝えたうえで、取り組み時間の確保をお願いしました。
受講生様のご感想
ーー研修の中で最も印象的だった部分や学びは何ですか?
- 慣れないツールに触れ理解する第一歩になった。
- データ処理をする際にそもそものデータ収集の仕方やデータの持ち方が重要であるということに気付けた。
- 何の目的でデータを使うのか、目的達成のためにどうデータを扱うかをしっかり考えて準備することが結果的に手間を減らせるとわかった。
- やりたいことの明確化、データに対する理解、スキルのどれもが欠けてはならない要素だと実感した。
ーー研修前後で業務に対して変化はありましたか?
- データ処理しやすい形でデータを持つ習慣がなかったが、どうすれば使い勝手がよいかを念頭に置きながら業務に取り組めている。
- 計数管理業務において集計の自動化を進められており、業務時間が相当程度削減できている。
- データ整理や可視化の課題は他の多くのビジネスにも存在し、その解決のために技術や文化を広めていければ大幅な業務改善になると感じたので、自分から発信していきたいと思えている。
最後にメッセージをお願いします。
木本様 :会社や組織のDXは、一部の組織や人員だけがデジタル技術に強いという状況ではうまく進みません。
どの組織にもデジタル人財、言わばDXのエバンジェリストがいて、その人財を中心としてデジタル技術やデータを誰もが利活用する風土や文化が根付いていけば、部分的ではないグループ全体のDX推進に繋がるものと信じています。
今回のデジチャレで、そういったデジタル人財がさらに増え、当社グループのDX推進をまた一歩進められたものと思っています。