ゼロから始めるDX推進
AI内製化を促進する人材採用と組織づくり【セミナーレポート・前編】

この記事は10月22日に開催されたWebセミナー「ゼロから始めるDX推進 AI内製化を促進する人材採用と組織づくり」のレポートです。

※記事化のために一部を編集しています。

2020年10月22日、株式会社POLと株式会社アイデミーの共催セミナーが開催されました。POLからエンタープライズチームの山永航太氏、アイデミーからエンタープライズサービス部長の桐原憲昭が登壇し、AI人材採用やAI内製化の重要性をテーマに講演しました。

山永航太氏
株式会社POL エンタープライズCS部責任者

新卒でメガベンチャーR社に入社。グローバル人事部(現グループ人事部)新卒採用グループに配属。アシスタントマネージャーとして、東京大阪の2チーム計10名のマネジメントを担当。採用ターゲット選定、インターンシップ企画運営、内定面談、入社式企画運営まで、幅広く採用業務を行う。海外インターンの企画運営にて部内アワードも受賞。現在はLabBaseで、主に大手企業様向けに採用コンサルタントとして従事。

桐原憲昭
株式会社アイデミー エンタープライズサービス部長

外資系ITベンダー、外資系人材育成・組織変革コンサル会社、及びリスクコンサル会社などを経て現職。企業向けのAI人材育成をはじめとする、AI内製化に向けた支援に携わる。筑波大学大学院非常勤講師(リスク工学専攻)、一般財団法人DRIジャパン理事。

株式会社POL 山永航太氏
採用面から考えるAI人材採用の重要性

私は今現在、POLのLabBaseというサービスの中で、主に大手の企業様を中心に採用コンサルタントとして従事しています。元々、楽天株式会社に新卒で入社して新卒採用の仕事、人事企画の仕事を経験後、弊社に転職しました。担当企業様のAI / DX系人材の採用支援を行っています。

まず株式会社POLについて簡単に説明します。2016年設立、現在5年目の非常に若い会社ですが、採用だけではなく、50名規模で研究者もしくは技術者の採用支援をするサービスをいくつか立ち上げています。

メインは、新卒向けの技術イノベーション人材の採用支援を中心としたLabBase事業です。中途人材、第二新卒人材の採用を行っているLabBase+や、オンラインイベントで採用強化していただくLabBase Nowといったイベントサービスも提供しています。

LabBase Xは、研究発の事業創造を支援していくマッチングプラットフォームで、研究者というキーワードのもと、技術イノベーション人材を採用の段階から支援するサービスです。こちらは、理系の大学院生の4人に1人が登録してくれているスカウトサービスへと成長しています。

今まで理系学生の就職活動と言えば、学生側はOB/OGのツテや推薦、企業側は教授との独自のコネクションや、研究者・研究室・共同研究のコミュニティなど、クローズドな世界で行われていました。それを公開してスカウトを打てるような、理系学生なら誰でもアクセスできる形で展開しております。現在、国内最大級の理系採用サービスということで、累計30,000人以上、年間1万数千人程度の理系大学院生、理系学生に登録いただいています。

このサービスの特徴としては、最初の学生さんを集める際に、学生インターン組織を全国に作り、研究室を一軒一軒訪問するという地道な活動を行ったことが挙げられます。こうして学生さんを獲得したゆえに、現在リファラルでかなり数が増えてきています。研究室の情報なども増えてきていますので、そういった観点も踏まえながら、今日はAI系の人材の採用についてお話ししたいと思っています。

DX推進人材の採用は難航している

経産省からDX推進の指標がいくつか出ている中で、人材育成、もしくは人材確保・採用の観点が非常に注目されています。

「高度IT人材」は、すなわち「AI人材」というわけでもありません。AI人材は、高度IT人材の中に含まれると考えられます。一概にAI人材と言えども、このようにターゲットを絞って確定していく要件定義については、弊社としてお力添えをしている部分です。

高度IT人材の採用ニーズは非常に高いものです。需要が大きい一方で人材数が少ないため、どういったシナリオでも、2030年には相当数の人材不足が見込まれています。採用を考える際には、中途か新卒か、が論点になると思っております。

まず、中途採用市場は小さいという現実があります。データ分析やAIなど、新規事業を担う技術者=高度IT人材は、全国でも13000人程度と言われています。その中で顕在化している転職層を5%と仮定すると650人、潜在層を含めても1000~2000人に届くかどうかといった試算がされています。

一方で、新卒採用の市場の大きさは私達も実感しているところです。LabBaseで「機械学習」「深層学習」をフリーワードで検索すると、数百~千数百人が出てきますし、さらにニッチな「画像認識」で検索しても、約180人の学生に一瞬でリーチできます。LabBaseに登録しているのが情報系学生の1/4であることを考慮すると、新卒採用のポテンシャルの大きさを理解いただけるかと思います。

AI研究関連を専攻する修士の新卒学生は、年間でおよそ1300人というデータがあります。LabBaseにおいて同じ条件で検索すると約800人がヒットすることから、AI人材の約60%に登録いただいていることになります。では、これだけ人材がいるのに、なぜ新卒採用が難しいとされているのでしょうか。

学生側は、研究が忙しくて就職活動に時間を割けず、先輩の口コミなどで3~5社程度しかエントリーしないようなケースも多いです。また、自分を過小評価してしまっている方も見受けられます。

企業側では、理系学生へのチャネルがなく、研究室との直接の繋がりも作れないと考えています。とにかくコネクションがないことが一番の課題です。そして、理系学生の就活動向を把握することが難しいと感じています。特に大学院生は、前述の通りなかなか就活の市場に姿を現しません。

学生は一体どこで就活をしているのでしょうか。リクナビやマイナビなどのナビサイトに登録している方がほとんどではあるものの、LabBaseの登録学生の35%はナビサイトに登録していません。なぜこんなことが起こるのか改めて考えるために、「学会と就活どちらを優先したか」というアンケートを取りました。

結果、65%以上の学生が「学会準備を優先した」「学会準備の合間に最小限就活をした」と回答しました。理系の大学院生の多くは、学会の方が就活より大事だと考えていることがわかります。

では、このような学生をどう採用するのか、新卒採用はどのように変わっていくのか、という話を進めていきます。

ジョブ型採用/メンバーシップ採用

今日ご参加の皆様の中には、ジョブ型採用/メンバーシップ採用という言葉をご存じの方も多いかと思います。経団連は、新たにジョブ型を推進することや、インターンシップの在り方に関する指標を出しています。例えば、Society5.0を想定していく場合は大学院以上の専門性が望ましく、そういった方々に関しては、ジョブ型雇用にも親和性が高いと言及されています。

今後の高度IT人材の就職活動は、ジョブ型採用が主流になります。私が担当している富士通様でも既にジョブ型の人事制度を導入し、いかに採用に適用するか考えていらっしゃいます。

Society5.0が発表されている現在、GAFAへと人材が流出してしまっている一方で、ベンチャーを中心に活発なAI人材の採用が行われています。ここからさらに未来を想像していくと、こういった背景を知った大企業も一部ジョブ型の雇用を解禁し、ジョブ型のインターンも解禁されていくでしょう。すると、AIやセキュリティなどに関する教育の重要度が上がって必修科目になり、AIエンジニアの給与体系は変わっていくかもしれません。また、シンギュラリティの世界が実現する世の中では、エンジニアの大半がAIやセキュリティを専門とするようになることも考えられます。

つまり、今まで中途採用で中心に行われていたジョブ型採用が、一部、新卒採用として行われるようになると思っています。

ジョブ型採用では、プッシュ型の採用手法が重視される傾向

ジョブ型の採用では、プッシュ型の採用手法が重視されます。顕在化しているファン層や採用候補者を狙うわけではなく、潜在層や未開拓のゾーンに対して訴求し、取りに行く採用を考えていかなければなりません。

闇雲にスカウトを打てばいいわけではなく、例えば彼らの研究領域・カンファレンス、論文などに対してしっかり目を向け、訴求方法を考える必要があります。

また、どのレベル、どのレイヤーの学生にターゲットを絞るのか、ということも非常に重要です。私たちが、AI系の学生100人程度に1対1での定性調査を行う中で、組織の技術力や環境、待遇など、学生が大切にする要素が見えてきていますので、そんな学生の生の声を活かしながらサポートしています。

こういった学生は、短期戦よりも中長期でしっかりとナーチャリングして、企業と両思いにしていく採用の体制が必要です。弊社は、全体感はもとより、各採用プロセスに沿った施策を一緒に考えます。上流の戦略設計から、認知向上、母集団形成、採用プロセスの設計など実行の部分まで、サポートが可能です。

株式会社アイデミー 桐原憲昭
ゼロからはじめるDX推進 ~e-learningによるAI人材育成~

私はアイデミーで、企業向けのAI人材育成を始め、組織変化も含めてAIの内製化に向けた全般的な支援をしています。また、私事ですが、大学の方でリスク工学専攻の非常勤講師も務めています。

今日はまず、マクロ環境から、ビジネスの現場で何がが起きているのか見ていきます。

AIの国別導入状況

こちらは、AIの導入状況を国別で表したグラフです。

残念ながら日本は、先進各国の中では最下位です。そして実装状況は、意外なことにアメリカではなく中国がダントツで多いんですね。理由の一例として、モバイル決済があります。中国での利用率は90%以上と言われていて、今やAlipayを代表とするスマホレスの顔認証決済も進んでいます。そういう意味では、中国では身近なところにデジタルが浸透してきていると言えるでしょう。

これは中国政府が推し進めている「次世代AI発展計画」によるものだと言われています。アメリカでは、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)がボトムアップでイノベーションを生み出してきたのに対し、中国は国家プロジェクトで、BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)を代表とする企業を中心に国の予算を配分し、トップダウンでAIを進めてきたという違いがあります。アプローチが真逆なんですね。

顔認証の実用化が進む中国

中国の広東省にあるセブン-イレブンでは、左の写真のように顔認証での決済が可能です。右側は同じく広東省の地下鉄で、一部ではありますが“顔パス”で改札を通り抜けられます。社会実装が非常に進んでいることが分かりますよね。

しかし、忘れてはいけないのがプライバシーの問題です。技術的には欧米の企業でも可能なのですが、ヨーロッパではGDPRと呼ばれる一般データ保護規制がありますので、生体情報をパスワードに使うことは禁止されています。技術のみならず、社会的なインフラ面、制度面も加味する必要があるわけですね。とは言え、こういった技術が既に身近にあるということは驚くべきことだと思います。

シアトルに集結するAI企業

一方アメリカの場合、ハイテク企業といえばシリコンバレーをイメージしがちでしたが、実は今、シアトルがAI企業の一大集積地になっています。理由は簡単で、Amazonの本社、マイクロソフトの本社、そしてGoogleのクラウド部門の開発拠点もシアトルにあるからなのです。

つまり、世界三大クラウドの開発部隊がシアトルにあり、AIエコシステムを形成しているということです。そして、その周りに、さまざまな日本のトップ企業が拠点を開いているという状況があります。

日本国内企業におけるAIの利用状況

日本国内に目を向けて、AIの利用状況を見てみましょう。

2019年のデータでは、売上高1000億円以上の大企業でも約17%しか導入が進んでいません。実証実験を含めてもだいたい3割くらいです。それ以下の規模の会社では、5%を切っている状況なんですね。まだまだ状況が進んでいないと言えるでしょう。

そういった中で、国はSociety5.0に関する取り組みを進めています。これは日本が提唱する未来型のコンセプトで、過去の狩猟社会をSociety1.0、農耕社会が2.0、工業社会が3.0、情報社会が4.0、そして今後来るべきAI・IoTの最先端技術による社会が、Society5.0とされています。

このような考え方で有名なのはドイツのIndustry4.0で、どちらかというと製造業の革新にフォーカスされているのですが、Society5.0は包括的なもので、社会のありよう、社会の抱える問題を解決するというコンセプトであると言えるでしょう。今後、Society5.0が「〇〇社会」として、どのように表現されるか楽しみですね。

企業経営は、AIによる課題解決と価値創造が求められる

下のスライドの通り、多くの一般企業に該当する主な経営課題に対して、やり方による(プロセス)イノベーションと、結果そのものを変える(プロダクト)イノベーションが求められています。

ここで声を大にして言いたいのは、生産性の向上です。これは国が数年前にまとめた調査結果で、この数字は予測値などではなく、ICTによる施策を導入した企業と、そうでない企業の2グループに分けて、実際に3年間の生産性の向上を測ったデータ、実測値なのです。右側の労働生産性の上昇効果が、実はAI・IoTを使うことで見込まれます。

日本企業のAI活用課題は、組織開発

日本企業が抱えている大きな課題は、AIの導入を先導する組織・人材の不足、一言でいうと人が足りないことです。実は日本だけでなく、アメリカや欧米企業でも人材不足は同様に問題なのですが、日本は先進各国の平均値よりさらに15%も下回っています。人材不足に関しては、諸外国に比べて日本はマイナスの方向に開きが大きいのです。

山永さんからもお話がありましたが、高度IT人材は不足しています。これはAI人材に特化したグラフですが、今後、平均16%の伸び率でAI市場が伸びた場合に、2020年で約4万人、2030年でも約12万人のAI人材が足りない見通しです。

これからのビジネスパーソンに求められること

他所からの採用が厳しいとなれば、当然ながら自社のドメイン知識を持った社員に、AIの機械学習の基礎知識を付けさせるほうが早い、とも言えます。

単なる人手不足に加えて、自社で日々蓄積したデータをいかに外部とやり取りするか、問題になることも多いと思います。外部のベンダーを使うだけではなく、やはり内部でもビジネスをどう回していくか考えていかなくてはなりません。そういった意味でも、自社でAI人材を育成する必要があるのです。

そこで、私たちアイデミーの人材育成に関するサービス「Aidemy Business Cloud」を簡単にご紹介します。Aidemy Business Cloudは、AIに取り組む組織を支えるeラーニングのサービスです。特定の個人だけではなく、組織開発にフォーカスした組織変革のeラーニングサービスであるとも言えるかと思います。

(前編ここまで)

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