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ゼロから始めるDX推進
AI内製化を促進する人材採用と組織づくり【セミナーレポート・後編】

この記事は10月22日に開催されたWebセミナー「ゼロから始めるDX推進 AI内製化を促進する人材採用と組織づくり」のレポートです。

※記事化のために一部を編集しています。

前編に引き続き、株式会社POLと株式会社アイデミーの共催セミナーの模様をお届けします。講演後、POLの山永航太氏とアイデミーの桐原憲昭が質疑応答を行いました。

Q 今、企業がDX推進人材を採用/育成すべき理由

山永

「今だと、もう既に遅いかもしれない」という危機感を持って、採用に動くべきだというのが私の答えです。

先程、未来予想としてお伝えした通り、大手企業の一部では経営層の方々も危機感を抱いていて、実は数年前から既に動き始めています。富士通様、パナソニック様など、情報系の採用がまったくイメージされない大手の機電系のメーカーなどが一例です。AI系のベンチャーが非常に強かったところに大企業も力を入れて参入し、こういった人材の採用を進めています。

桐原

DXにあたっては、高度IT人材が中核となるにも関わらず、山永さんのプレゼンにもあった通りIT人材・AI人材とも徹底的に不足しているため、積極的に採用していかなければなりません。

それがなぜ今なのか、については、皆さんご存知の通り、コロナ禍において外部環境や経営環境がガラッと変わったことが挙げられます。製造業の皆さんはかなり苦労されている中で、DXに限らず、とにかく事業をトランスフォーメーションしていかなければなりません。そんな時、デジタルは非常に大きなドライバーになりうるはずです。そのため、DX推進人材の採用/育成は、変化のキッカケになると考えています。

山永

そうですよね。逆に言えばビジネスチャンスが存在していると思いますし、そこに人材投資していくのは中長期的に見ていかなければなりません。既に取り組んでいる企業との差が、この1~2年で出てくるということですよね。

Q 高度IT人材の採用ニーズは高いが、マーケットの実情は?

桐原

AI人材を含め、高度IT人材を採用したいというニーズは強いと思います。ただ、採用したいからといって、すぐ人材が見つかるものなのでしょうか?

山永

一番人気の高い層として「ビジネス側の素養があるデータサイエンティスト」が挙げられるのですが、そういう人材はいないですよね。データがすごくよくわかる、もしくは、ビジネス側の素養がある、そのいずれかを持っている方は多いですが、両軸を持ち合わせた人材を探すのは非常に難しいと思います。

ただ、「データサイエンティストが欲しい」とは言っていても、話を聞いてみると「それならAIエンジニアですね」というようなことがよくあります。そのためにも、研究室単位で、研究内容や学生の興味、どこに活かしたいのかなどを明らかにしていくことを弊社では重要視しています。

桐原

なるほど。私たちは逆に、外からの採用だけでは間に合わないかもしれないので、内製化もやっていくべきかなという考え方です。

Q AI人材育成の中心は若手層? ミドル、マネージャー層?

山永

先ほどのお話にあった内製化に関してお伺いしたいのですが、市場感としてAI系の人材育成の中心は、若手層なのでしょうか、それともミドル、マネジメント層なのでしょうか。

桐原

弊社ではあらゆる層、若手だけではなくミドル、マネジメント層にもご利用いただいています。ただ、ミドル、マネジメント層の場合は、コーディングよりはビジネスデザインの描き方や、ビジネスプランナーとしてのスキルセットのインプットが中心です。こういった意味では“両輪”であると言えます。

そして今年の新しい動きとしては、新卒だけではなく採用前からそういったスキルを身につけさせるべきだ、という会社も出てきています。

山永

なるほど。ありがとうございます。

Q ジョブ型の雇用が定着すると、内部で育成した人材がスピンアウトするリスクが高まるのではないでしょうか?

桐原

私たちは個人向けにもeラーニングのサービスを提供しているのですが、自分の付加価値を高めてから転職される受講者の方の例は多くあります。AIスキルが1つのきっかけになっていると言えますので、企業の中でもそのような傾向はあるのかもしれません。

山永

これは人事の中でも議論が行われていると思います。ジョブ型の雇用は欧米型なので、成長した人材が社内で活躍した後、次に別の会社に行くことも文化としてある程度許容されているのかもしれません。

ただ、ジョブ型雇用がそのまま日本にマッチするのかというと、そうではありません。文化適用については、採用と育成いずれの観点からもも同時並行で考えていかなければならないと思っています。

LabBaseのサービスでわかったのは、学生が重要視しているのは「自分の専攻をいかに活かせるか」だということです。だからこそ、学生が本当にやりたい仕事を提供できるのか、スカウトを打つタイミングから大事にしてほしいとお伝えしています。

Q 社内のAIリテラシーが向上したとき、一番の恩恵を受けるのは?

桐原

DXの本質は、目の前で起こっている顧客や市場の環境を学習して、自らのビジョンに照らし合わせ、組織全体を変革することにあります。

そういう意味で、DXを推進していく中で最も恩恵を被るのは、当然ながら「会社の未来」ではないでしょうか。未来が後押しされる、非常に大きなドライバーになるはずです。今やっておくことが、会社の未来・将来に向けての布石になると私たちは考えています。

山永

全社的にAIリテラシーを高めることには、ミクロの視点での価値もあるのではないかと感じています。

AI技術者に与える仕事の解像度が高まっていないことは、採用人事の方だけが抱えている課題ではありません。会社全体として、AIとは何か、AI技術者が何をやっていて、どんな価値を生んでいるのか、しっかり認めて社内で評価されることが、人材流出リスクの防止にも繋がっていくと思っています。

Q DX推進のための新卒人材をどのように採用していくのか?

山永

これは、組織体制をどう整えていくのか、という部分と両輪です。社内の育成でAIリテラシーを高めていくこと、組織のコンサルティングを受けている場合もあるかと思いますが、採用では、入社した人材をきちんと育てられるかどうかが大事です。

企業は中途採用で一定数の技術者を集めたり、体制を整えてから新卒採用を始めたりすることを進めています。新卒採用にあたっては、どんな仕事が待っているのか、仕事が社会全体にどういった価値を与えるのか考えた上で、それならどういう人材を採用しようかという話をしています。まずはそこを整え、事業戦略となぞらえて採用戦略を考えられることが非常に重要なのではないかと思っています。

桐原

私からは、組織内での人材の活用という視点でお話しします。こちらのスライドをご覧ください。

これは、アイデミーのeラーニングのサービスを、ある大企業で導入いただいた時の実際の演習の状況を表したグラフです。

80ライセンスご購入いただいて、74人が受講されました。10コースを必須として実施し、大半の受講者はその通りに受講されました。グラフの左側、自主的に10コース以上取り組む方が1~2割いらっしゃいました。どの会社でも、同様の方が一部いらっしゃいます。こういった方々が非常に重要で、AIのようにまだ答えがよくわからないような分野には、言われたことだけではなく、自発的に取り組んでいくような人材が求められます。

社内でプロジェクトメンバーを発掘する際には、こういったeラーニングのツールが有効に使えるのではないかなと考えております。逆に、新卒の人材に受講していただいて、どんな傾向が表れるかを見ても面白いのではないかと思います。

山永

確かに、それは面白いですね!

桐原

人材発掘ツールですね。本来の目的ではありませんが、副次的にそういった効果もあるというところでしょうか。

山永

学生にとって、どんな人が組織の中にいるのか、どんな人と働けるのか、というのは重要なファクターになっています。例えば、Kaggle Masterが社内にいれば、データサイエンティストを目指す学生は興味を持ちますし、学会・国際学会に引き続き論文を出している研究者が社内にいれば、AIエンジニアや研究開発に興味のある学生は魅力を感じます。本当に1人でも2人でも、そういったスーパープレイヤーがいるか、生み出していけるか、発掘できるかという部分も、全体としては非常に重要だと思っています。

(後編ここまで)

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